2025年9月5日⼥性理容師の時代。“細やかさ”が選ばれる理由
こんにちは。ヘアモードキクチ銀座店でスタイリストをしている砂川です。
理容師というと、まだまだ男性のイメージが強いと感じる⽅も多いかもしれません。実際、初めて担当させていただくお客様の中には、「⼥性なのに本当にできるの?」という不安そうな表情をされる⽅もいます。
特に、スキンフェードなど技術⼒を問われるスタイルの場合、その視線を肌で感じることも少なくありません。しかし、いざ施術に⼊ってしっかり仕上げたとき、その反応がパッと変わるのがわかります。仕上がりを⾒た瞬間に「おっ」という顔になり、そこから次回のご指名をいただけたときの気持ち良さは本当に格別です。最初にあった不安が信頼に変わる瞬間…その感覚は⾔葉にしきれないほどの達成感があります。
ところで、私はこの仕事をするうえで、「男性スタッフには負けたくない」という気持ちが常にあります。特に⼒仕事やスピードが求められる場⾯で「無理しなくていいよ」と⾔われたとしても、「私が⾏きます」と即答できるようなスタンスで、常に現場に⽴つようにしています。少し無茶だなと思うこともありますが、それでも⾃分でやり切ることで得られる経験と信頼は⼤きいと感じています。
⼥性であることが武器になる場⾯も、実はたくさんあります。たとえばシェービング。私は⼥性のお顔剃りも多く担当させていただいていますが、その経験がそのまま男性のお顔剃りにも活きていると感じています。刃の⾓度、肌への圧、⼿の動き……すべてにおいて「細部まで丁寧に、繊細に」という意識があるからこそ、仕上がりの肌感にも差が出ると思っています。実際、男性のお客様から「こんなに気持ちよく剃ってもらったのは初めて」と⾔っていただけることもあり、そこは⾃分の得意分野として⾃信を持っています。
職場の環境としても、ヘアモードキクチでは性別に関係なく、誰もが技術と姿勢で評価される空気があります。⼥性だから、男性だからではなく、「この⼈に任せたい」と思っていただけるような仕事をすることが、私にとって⼀番の⽬標です。
この仕事を始めた頃は、⾃信もなければ余裕もありませんでした。でも、「⾃分なりにできることを丁寧にやる」というスタンスを崩さずに続けてきたことで、少しずつ道が開けてきた気がしています。指名が⼊った⽇も、思うようにいかず悔しい思いをした⽇も、すべてが⾃分の糧になっています。
これから理容師を⽬指す⼥性の⽅には、「⼥性だから」と構えず、むしろ⾃分の強みを信じて進んで欲しいと思います。きっと、⼥性ならではの視点や気配りが、お客様にとっても特別なものになるはずです。